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予約管理システムの障害による |
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『遅発、欠航』
そんなアナウンスがまた流れた。 本に目を落としたままぱらりとページをめくる。 ソファに腰を落ち着けてから既に数時間。 搭乗手続きすらもここ数時間まともに行われていない状況では、このアナウンスも今更の話だった。 出張先に早く向かわなければという焦りはとうに消え、どこか諦観しながらあたりを窺いつつ、またページをめくる。 とりあえず社会人としてはチケットの受け渡しが始まったらすぐにカウンターへ向かい、いの一番に乗り込み仕事先に向かわなければならない。 ・・・そんな義務感だけで自分を奮い立たせようとするがその試みは全くといっていいほど成功せず、倦怠感だけがさらに強くなる。 ひそやかな囁き声と時折聞こえるアナウンスの声。 それが不意にざわりと大きくなった。 慌てて面を上げ辺りを見回す。 今まで停滞していたこの場所からまばらに人が流れていくのが分かる。 始まったか? 急いでボストンバックを掴み人の流れの先に向かった。 「今から15分だけ手続きを再開します!」 そう拡声器で叫んでいる航空会社の社員。 見る見るうちに列は長くなり自分の後ろにもたくさんの人が並ぶ。 片手に本。 片手にボストンバック。 キャリーケースにしておけばよかった。 荷物の量が少ないからと、今回はこのボストンバックを用意したのだがこうも無駄に疲れが溜まっているとこの重さですら正直辛い。 いったん荷物を置いてまた本の続きに目をやる。 と、列がいきなり進みだし慌ててその後に着いて歩くが思わず立ち止まり、舌打ち一つ。 しまった、本しか持っていないじゃないか。 モスグリーンのボストンバックは列の遥か向こうに置き去りにされていた。 せっかく並んでいたのにと自分に情けなくなりながらそれを取りに戻り、列の最後尾にまた並んだ。 なんで予約管理システムで、搭乗手続きが全て滞っているのかは夢の話なのでツッコミ無しでお願いします。 とりあえず来週末の出張が嫌だったらしい。 |
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